春の収蔵品展
‐石踊達哉・宮本三郎・林郁子・川上南溟‐
2023.4.1. sat - 5.7 sun
春に相応しい石踊達哉の花鳥風月の日本画をはじめ、宮田三郎が1970年代から十数年を費やして制作した木版画「日本の風景 九州」20点、林郁子の染色3点、川上南溟「長恨歌」六曲ニ双を展示いたします。春の一日をどうぞお楽しみください。
*3年ぶりに4月9日(日)11時〜14時「春のお茶会」を予定しております。状況によっては延期・中止の可能性があります。あらかじめ、ご承知おきのほど、
よろしくお願いいたします。当日はホームページでご確認の上ご来館ください。
石踊達哉 (1945~現在)6点
旧満州に生まれ、川辺高校を卒業。
1970年東京藝術大学大学院を修了する。
1998年瀬戸内寂聴現代語訳「源氏物語」の装幀画を担当する。
また、2006年に金閣寺方丈広縁杉戸絵、客殿格天井画を、2011年には三十三間堂本坊妙法院門跡普賢堂並びに瑞龍殿障壁画を完成させる。
現代日本画壇のトップランナーとして活躍している。
宮田三郎(1924~2013)20点
長野県大町市に生まれる。
教員生活後東京版画製作所を開設し木版画の研究と新材料の開発
に努める。
1970年代、毎年1集を目標に十数年を費やして「日本の風景」全十二集、及び番外二集を完成させる。
空間を生かし、面を含む線で立体感を与えるなど、温かみのある独特な画風が印象的である
林郁子 (1938〜)3点 「せせらぎ」含む
1938年生まれ。
中学校の途中まで唐津市で過ごし、その後鹿児島市へ移住する。
甲南高校を卒業後20年間会社に勤めた後、38歳で染色の道に入る。
旬の草木から糸を染め、約500時間かけて織り上げ、一つの作品に仕上げていく。
西部伝統工芸展や日本伝統工芸展で活躍し数々の賞を受賞する。
また、2008年第46回西部伝統工芸展では、紬織着尺「せせらぎ」で日本伝統工芸会賞を受賞する。
川上南溟 (1915 ~ 1999) 六曲一双
1915(大正4)年、大島郡徳之島町母間に生まれる。
鹿児島師範学校を卒業後、川上小・谷山小・鶴丸高校教諭を経て、1972(昭和47)年鹿児島大学教育学部教授に就任。
書は堀井鶴畔、辻本史邑、青山杉雨に師事。自らも書道研究川上社中南溟会(後の墨泉会)を結成し研鑽を深める。また、南日本書道会「書林」に手本揮毫、学童書道の向上に努めると共に、南日本書道展審査委員長として南日本書道の発展に尽力した。
書風は、自己の表現、一般の人にも親しみやすい近代性、現代社会に根ざした造形性の強さ等、洗練された筆で上品さが漂う。
本展「長恨歌」は、1975(昭和50)年、第7回日展で2 回目の特選を受賞した「蘇東坡詩」の書体を基にした作品である。