2015.4.1(水)〜5.31(日) 『石踊達哉の日本画と牛島憲之らの木版画展


石踊達哉

今年も春恒例となりました石踊達哉の「紅白梅図屏風」と「川上南溟屏風」1双をはじめ、静謐な心象風景に定評のある牛島憲之の木版画と、坂本繁二郎による木版画「阿蘇五景」などを展観します。

展示作品 「夜明けのアクロポリス」「紅白梅図屏風」他4点
「牛島憲之木版画」12点 「坂本繁二郎木版画」5点
「橋口五葉木版画」1点「川上南溟屏風」1双 約37点


牛島憲之の木版画

牛島憲之

 牛島は昭和を代表する、熊本市出身の洋画家の一人である。東京美術学校で岡田三郎助に師事し、豊かな色彩の風景画を得意とした。 戦後、構図を重視して都内や近郊にある工場・ガスタンク・橋などの建造物を描いているが、作品には穏やかな牧歌的詩情が漂い、画壇の高い評価を得た。立軌会を創立、東京芸大教授として後進の指導にあたり、文化勲章など数々の賞に輝いた。

 牛島は若い頃から日本の伝統的な木版画に強い関心を持っていたが、昭和40年代に『牛島憲之版画集』第一輯・第二輯を制作した。

  第一輯は1運河、2言問青嵐、3伊豆の漁村、4夏日水門、5福浦港、6晩春永代橋の6葉からなり、昭和42年(1967)に加藤版画研究所から初版限定150部が刊行された。

 第二輯は1水郷初秋、2外苑風景、3?東、4富士夕照、5水郷、6下田の漁村の6葉からなり、同じく加藤版画研究所から昭和43年(1968)に初版限定150部が刊行された。

 各々253×373ミリの大判の木版画で、布張りカートンにおさめられている。画面には工場、民家、水門、橋などの建造物や樹木がうねる曲線、柔らかい直線、透明感のある穏やかな色彩で描かれている。これらの風景はかって見た美しい平和な日本の原風景であり、深い郷愁に駆られる。


 坂本繁二郎の版画

坂本繁二郎

 坂本は哲人的画家と称された、久留米市出身の近代日本を代表する洋画家で、海老原喜之助が先生と呼んだ数少ない先輩の一人である。大正3年(1914)二科会の創立に参加して活躍した。 戦後は八女市の質素な自宅に籠って、馬の絵や能面、植木鉢、箱など身近な静物を描きながら孤高の生活を送り、80歳を過ぎた最晩年は月シリーズなど幽玄の世界に遊んだ。

 坂本は我が国の伝統的な木版画に深く興味を持ち、若い頃から木版画を手掛けている。『草画舞台姿』は明治44年(1911)当時の役者の舞台姿6葉を制作、昭和46年(1971)復刻版として加藤版画研究所から300部限定で刊行された。

 『筑紫五景』は1水縄山、2神湊、3筑後川、4榎寺神社、5火の海の5葉からなる。大正7年(1918)に制作、昭和45年(1970)復刻版として同じく加籐版画研究所から300部限定で刊行された。

 『阿蘇五景』は1波野の月、2南郷谷、3根子嶽の朝、4放牧、5噴火口の5葉からなる。各々253×360ミリの大判の木版画で、坂本の代表作とも云える。昭和25年(1950)加籐版画研究所から初版限定300部が刊行された。初版はたとう紙入りで、表紙に「阿蘇五景・さかもと画」の文字を画面に刷り込んだ、親子馬3頭の木版画が貼ってある。

 これら3つの木版画集は、坂本の偉大な業績の中でも燦然とその輝きを放っている。特に『阿蘇五景』の南郷谷と根子嶽の朝の眺望の雄大さと色彩の鮮やかさは他に類を見ない。


作品のご紹介

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