2014.6.3(火)〜7.13(日) 『海老原喜之助全版画と陶板展』 海老原喜之助生誕110周年

海老原喜之助は1904年鹿児島市に生まれ、今年生誕110周年を迎えます。

当美術館では、海老原が国内で制作したすべてのリトグラフ(石版画)と1965年フランスで制作した3点のリトグラフ「雨の日」「海浜の蝶」「洗馬」に加えて陶板、陶画などを展示致します。


展示作品

「本を焼く」「火を運ぶ」「天使堕ちる」「舟を造る人」 「雨の日」など約30点
                         
観覧料 一般500円 高・大学生300円 小・中学生200円
(常設展もご覧いただけます)

洗馬
         群馬出動 (リトグラフ)
陶板
         船を造る人(陶板)

海老原喜之助 全版画と陶板展によせて  児玉美術館館長 児玉利武

海老原喜之助は1904年鹿児島市に生まれ、今年生誕110周年を迎えます。

エコール・ド・パリの熱気を持ち続け、西欧的なエスプリと造形で、戦後の日本画壇を牽引した一人です。18歳で渡仏、藤田嗣治の薫陶を受けて忽ち鬼才を発揮し、アンファン・テリブル(恐るべき子供)の異名を取り、次代のパリ画壇を担う画家として嘱目されました。

若き日の叙情美と晩年における豪放で詩情豊かな彼の作品群は、いかにも薩摩人らしい、清澄な世界を展開して見せました。

今回の展覧会は海老原喜之助の作品の中でも特にリトグラフ(石版画)と陶板を中心に供覧いたします。1965年フランスで制作した「海浜の蝶」 「洗馬」「雨の日」をはじめ、海老原がその生涯に制作した25点のリトグラフの全てと、鹿児島県立窯業試験場で制作した陶板・陶画などを展示します。

年若くして西欧の巨匠達の作品に触れていた海老原は、親しみやすいリトブラフを日本人の生活の中に取り入れたいと考え、終戦後間もない1950年代の中ごろ精力的に石版画の制作に取り組みましたが、木版画が主流であった当時の日本では大変苦労を重ねた様です。

これらの作品は、海老原のご遺族から直接にもたらせられた生なもので、全ての保存状態が良く、色彩も鮮やかです。作品の題材も海老原の分身である馬と人との関わり(馬と少年・洗馬)、働く人のたくましさの中に宿る哀愁(籠をつくる人・石をかつぐ人)、神話に秘められた教えや童話の世界の温かさ(天使堕ちる・雨の日)、蝶の擬人化や人物の石文化など奇想な造形(蝶・記念碑的像)、戦中・戦後の叙事詩とも言える作品(本を焼く・群馬出動)など多岐にわたっています。

また、今回展示されたリトグラフや陶板の中には数点しか制作されていない、極めて貴重な作品も含まれています。

吉井淳二と共に『南日本美術展』の生みの親であり、後進の育成や郷土画壇の発展に尽くした海老原の偉大な足跡を振り返っていただけたら幸甚です。


展示作品のご紹介

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