2018.1.4(木) - 3.26(日) 『大嵩禮造逝きて15年―具象画の世界展―

 大嵩禮造が没し、早15年。大嵩は、1934年日本画家大嵩双山の長子として鹿児島市の山之口町に生まれ、父の影響で幼少より絵に親しみました。

 当時美術部が盛んであった甲南高校を経て、鹿児島大学教育学部美術科に進学し、忽ちその才能を開花させました。1959年第14回南日本美術展で知事賞を受賞し、翌年第1回海外派遣美術留学生に選ばれ渡仏しました。 1971年には、鹿児島大学助教授に就任。教鞭を取りながら、画家として、教育者として鹿児島の美術界を牽引し続けました。

 大嵩といえば抽象画と思われがちですが、抽象画にも劣らぬ数多くの具象画を残しています。今回は、そんな大嵩の描き出した小粋な具象画の世界をお楽しみいただきます。

「白い岬」「ポルト・ド・サンクルー」他約40点

観覧料 一般500円 高・大学生300円 小・中学生200円
      (常設展も併せてご覧いただけます)



ポルト・ド・サンクルー

 大嵩禮造逝きて15年 具象画の世界展に寄せて― 理事長 児玉利武

  禮造さん、貴方があの寒い日に旅立たれてもう15年になります。

初めてお逢いしたのは、確か昭和47年県美展のパーティーの席でしたね。

颯爽と現れて隣に座られた貴方に「グラスボックスを描いているのは貴方でしたか」と声をかけたのが初対面です。

出身校が同じとあって意気投合して話が大いに弾み、不躾にも「具象と抽象はものの表裏ですから、優れた抽象作家は優れた具象作家であるはずです。是非具象画を見せてください」と持論を展開しました。すると、数日後に伊佐子夫人を伴って5〜6点の作品を抱えて私宅にお見えになりました。その絵を見て私はグラスボックスと全く同じ雰囲気を持っていたので、大変驚かされ、そして納得しました。以来すっかり貴方の描かれる絵の虜になり、その縁は現在も続いております。

今回の『大嵩禮造逝きて15年 具象画の世界展』には20歳代から50歳代までの具象画の作品40点とグラスボックスなどの大作7点が展示されています。

最初のコーナーには初めて私宅に持参された(蒼い桜島)(祈り)など30歳代後半の作品が並び、透明感のある白と青の色彩と堅固な画面構成が魅力的です。

次のコーナーは東京日本橋画廊の個展で好評を博した(ピカデリーサーカス)(厨房)など40歳代前半の作品が並び、色彩と造形に洗練された美しさがあります。

次のコーナーは40歳代後半の(ゴッホの部屋)や南日美展で委嘱作家賞を受賞した(ポルト・ド・サンクルー)などの作品と50歳代の(ダビンチの部屋)や独立美術展で小島賞を受賞した(極めて私的な時間)などの作品が展示され、大嵩さんにとって拘りのある白と青色に赤を加色することや人物を描くことで画面に緊張感を増しています。

さて、大嵩さんは昭和34年南日美展で知事賞を受賞し、翌年第1回海外派遣美術留学生に選ばれて渡仏しました。昭和46年鹿児島大学助教授に就任して教鞭をとり、以来画家として、教育者として鹿児島の美術界を牽引されました。

大嵩といえば抽象画と思われがちですが、それにも劣らぬ数多くの具象画を残されています。

大嵩の描くすぐれた具象画の世界をご覧ください。